東京ドリーム学園と核兵器禁止条約

核兵器国際法で禁ずる「核兵器禁止条約」について、国連委員会は来春から交渉を始めるとの決議案を採択したが、日本は反対して世界に大恥をかいた。情けないことに、日本政府は、この愚挙を大恥と思っていない。ここまでして宗主国のアメリカに忠義立てをする必要があるのか?東京ドリーム学園に集う留学生は一体どう解釈しているのだろうか?
国連総会第一委員会(軍縮)の決議案は賛成多数を得たが、第二次世界大戦戦勝国で核保有国の米英仏ロと、米の核抑止力に頼る日本や韓国、北大西洋条約機構NATO)加盟国などが反対した。中国は棄権した。これが日米同盟の実態です。
東京ドリーム学園留学生の母国も何か国かは反対し、あるいは棄権に回った。
ヒロシマナガサキへの原爆投下から七十一年。核実験を禁ずる条約はあるが、ようやく核兵器そのものを禁止する条約の制定が今そこに見えてきたというのに、残念である。我が国は特に、広島・長﨑に続き、1954年3月1日に、ビキニ環礁で アメリカ軍の水素爆弾実験によって発生した多量のいわゆる死の灰を 浴びた、遠洋マグロ漁船第五福竜丸事件があり、2011年3月の東京電力第一原子力発電所爆発事故があって、四度も被爆している国である。それなのに一体、何故完全なるアメリカのポチを演じるのか?
チェコプラハ核兵器廃絶の演説を行なっただけで、オバマ大統領は何とノーベル平和賞を受賞した。その大統領も今は完全にレイムダック状態。米国が核保有国だという理由だけで、今回の国連委員会で反対し、かつ「同盟国」に反対するよう通達をしていたという。
これとは別に、日本は各国指導者らへ被爆地訪問を呼びかけた別の核兵器廃絶決議案を主導し、採択された。我が国の姿勢は、核兵器禁止条約には反対しながら、廃絶を訴えるという投票行動は、実に分かりにくくしている。この奇妙奇天烈な行動は、東京ドリーム学園に集まる学生から、いや世界中から物笑いにされているだろう。