日本貧困の一断面と東京ドリーム学園

明けましておめでとうございます。新年より少々硬い話をさせて頂きます。

私は30年余り前に新宿の西口にある会社の社員だった。
西口の地下道を取ると、独特な異臭が鼻をつき、ホームレスと呼ばれる人達がダンボールの中で生活しているのをよく見かけた。
大勢いました。そのほとんどの人達は中高年齢の方達が圧倒的だった。あの方たちは今どこへ行ってしまったのか?現在はあちこちに分散しているようだ。
東京ドリーム学園の近くの巣鴨や池袋ではどうであろうか?
数年前、実際年末年始の今頃になると、「日比谷年越し村」で人が多く参集していた。
それが今や、貧困が若年層を直撃し、若者の多くがホームレスに加わっていることが実態だという。よく街で見かける「ビッグイシュー」の販売者にも、若手ホームレスが多く混じってきたように感じる。
東京ドリーム学園の学生諸君、もし見かけたら一度立ち止まって下さい。そして財布に少し余裕があれば、1冊買ってあげてください。
ところで現在は、あるルポによると、50人のうち約7割が、非自発的退職を強制され、あるいは派遣切りや会社の倒産などで失職したという。職を失うと同時に家を失うといった最悪の事態に遭遇し、結果路上へ出て行かざるを得ない現代の雇用情勢の悪化が浮かびあがってくる。
しかも路上生活者には若者がかなりの数に達し、鬱病が蔓延ししているという現代の貧困の特徴が表れている。
現代の、若者ホームレスの8割以上が正社員として就職した経験があるという事実も注目すべき事実だ。一度退職すると、再就職のためにはハンディキャップが生じ、さらに再就職条件が厳しくなる。
再就職先でも職場の人間関係や苛めが原因でさらに退職に追い込まれ、ここで職探しにおける「負のスパイラル」に陥っていく。
その結末としての「若者ホームレス」。自分には関係ないと思っているアナタ、決して自分は無関係だと思うなかれ。東京ドリーム学園に通う学生も、現代の貧困に決して無縁ではない時代が現代なのである。
自分には関係ない、とは言えないという時代が現代。一度堕ちると、滑り台で滑り落ちるように果てしない社会の底辺に堕ちていく社会なのだ。