東京ドリーム学園と日本のグローバルスタンダード

かつて1990年代後半に、我が国でとかく喧伝された「グローバルスタンダード」。これは、ひっきょう「アメリカンスタンダード」に違いありません。それが火を観るより常識であったことが今明らかになっています。その昔、東アジアから東南アジアからの国からみれば、「国連でも、結局日本はアメリカの投票マシンに過ぎない」と映っていたようです。
現在はもっと露骨で「集票マシン」になっています。今回のTPPでも自らのプライドも、自国の農業や各産業の利益も、まさにかなぐり捨てています。
米国の大統領選はこれからが最後のピークになるでしょう。それにしても不思議なのは、米民主党ヒラリー・クリントン候補も、あるいはまた共和党のトランプ候補も、TPPを消極的なのに、何故日本の政府はTPPを批准したがるのでしょう?アメリカがクシャミをしたら日本は風邪をひく、といわれるほど日本の外交は、昔から対米一辺倒といわれてきました。日本がアメリカの空気を読めないのでしょうか?それとも、米大統領が二人揃って本音を語っていないのでしょうか?
TPP承認案と関連法案が、秋の国会で審議入りすると永田町では囁かれているそうです。東京ドリーム学園に学びに来ているアジアの学生は、TPPについて一体どう見ているのでしょうか?日本の産業を何故アメリカに差し出すのであろうか、と考えるに違いありません。
日本の食糧自給率が40%を切っている中で、日本の農産物を生産する酪農漁業、つまり第一次産業を破壊するTPPを優先してまで、日本はアメリカに忠義立てする必要があるのか、と東京ドリーム学園に通うアジアの学生は不思議がるに違いありません。第一次産業の破壊だけでは済まずに、TPPは日本の第2次産業を含めて関税を撤廃し、かつ薬の特許期間、著作権の保護問題、外国企業による国家の提訴(ISD条項)など深刻かつ多岐にわたる問題を抱えています。わたしは今すぐ巣鴨の東京ドリーム学園にいってアジアの同胞学生たちに聞いてみたい気がします。
恐らく東京ドリーム学園の賢明な学生なら、「アメリカの大統領選は、ヒラリーで決まりです。そして彼女は本音ではTPPを推進する。日本政府筋はそれを先読みして、TPPを推し進めるでしょう」と言う気がしてなりません。